台本：星に願いを

『星に願いを』

ト書き
夜　土手を歩いている3人組。どうやら部活帰りのようだ

1あ〜、遅くなっちゃったね。

2さむ〜！

3あ、ねぇ空見てみて。

2…わ〜、すごーい！

1湿度と気温が低いし、今日は月もでてないからね。

3街灯もないし

2田舎も捨てたもんじゃないよね。

1うん。きれいだね。

間

3（星を眺めながら）ねぇ、なんで私たち、腐れ縁の幼馴染3人で星眺めてんの？

1確かに。

2ぼっちが3人…ちょっと寂しいね。

3あ〜あ、クリスマスまであと10日だっていうのに…。

1なんで隣に素敵な彼氏がいないんだろう。

2もてたいね…。

1，3もてたいねぇ…。

3あっ、流れ星！！

3人、声を合わせて

3人　もてたい！もてたい！！もてたい！！！

間

1よし！

2きっと今の願いを聞き届けたイケメンでイケボな星の精霊なんかが降臨して…

3「キミの願いを叶えてあげるよ。」みたいな？

1漫画の読みすぎだってー。

2だねー。

3でも…

3人、声を合わせて

3人　お星様、お願いします！！！

精霊　私に任せて！

3人、驚く

1なんなのあんた！

精霊　なんなのって、星の精霊だよ！

3人　さようなら

3人、踵を返して去ろうとするが、精霊、引き留めて

精霊　待って待って。

2なんなんだよお前！

3通報するわよ！！

精霊　君たちが私を呼んだんでしょ！！

1どうみても怪しい奴の言うことなんか信じられないわよ8！

2それに、例え本物だったとしても俺たちが望んでたのはもっと「かっこい〜い」精霊！

3私たちはあなたを星の精霊だと認めないわ！！

精霊、ひざをついて泣き出す。

精霊　なんでだよぉぉ。私は君らの役に立ちたくて、はるばるやってきたっていうのに。

3人、ちょっと気の毒になって

1ねぇ、泣くのやめてよ。

精霊　（泣きながら）私、ほんとに星の精霊なのにぃぃ〜

2そんなに言うなら証拠を見せてごらんよ。

精霊　証拠を見せたら信じてくれる？

3そうね…証拠があれば信じるわ！

精霊　わかった。それじゃあ…えいっ。

精霊、立ち上がり、3人のほうへ何か念を送る。急に動けなくなる3人。

1なにこれ！

2金縛り！？

3う、動けない…。

精霊　さらに…ほいっ。

精霊、手で3人を操る。3人はそれに合わせて動く。

1（押す）うわわわ。

2（引く）体が勝手に…。

3（転がる）も、もう分かったからやめて！

精霊、やめる。

精霊　どうかな？！

3人　す、すごい！

1本当に星の精霊なのね！